高い過払い金|本件監査における参加人Bの過失の有無について

過払い金を定めてあるというべきである。


売買により取得し,平成9年3月24日 にその一部を真実転売していないのに取得価額の2倍以上である11億1 00万円で転売したかのように装って,転売による資産売却収入を前提と した本件財産目録及び資金収支計算書を作成して本件設置認可申請をした が,参加人Bは,これらの書類の不適正を看過した。
すなわち,土地が売 買されたことの確認は,権利証及び登記簿謄本によるべきであり,手続一 覧表にもその旨定められているところ,参加人Bは,権利証及び登記簿謄 本によって転売先へ所有権移転登記がされていることを確認し,所有権移 転登記がされていない場合にはその理由を吟味すべき義務があったのに, これを怠った過失がある。
転売によって土地売却益が生じることは珍しいことでないにしても,取 得後わずか半年で取得価額の2倍以上の金額で売却されたのは異常であっ て,手続一覧表でも,このような場合には,資産売却収入及び資産処分差 額の内容を分析し妥当性を確かめる必要がある旨定められているところ, 参加人Bは,固定資産課税評価額等による売却収入の妥当性分析すらして いないのであるから,この点においても,参加人Bの過失は明らかである。
(エ) 現金寄附に係る監査手続について 本件設置認可申請時に提出された寄附者一覧表には,114件,合計4 9億8480円の現金寄附がされた旨記載されているが,これらのうち2 4件,合計40億9500万円は,虚偽の現金寄附であった。
手続一覧表によれば,監査人は,現金寄附の監査の際,現に寄附があっ たかどうか,とりわけ借入金収入等の寄附金収入に算入してはならないも のを計上していないかどうか確認するため,寄附申込書を確認し,仕 訳票,通帳に寄附したとされる額に相当する金額及び寄附申込者に相当す る氏名の記載があるかどうかを照合する義務があったのに,参加人は,こ れを怠った。
また,D大は特定公益増進法人に該当するところ,税務上,特定公益増 進法人に対する寄附金は,寄附金控除として寄附者の所得から控除される こととなるが,その際,特定公益法人から特定公益増進法人証明書の交付 を受けることとされているので,真にD大に対する現金寄附がされていれ ば,寄附者に対し特定公益増進法人証明書が交付されているはずであり, 監査人は,その有無を確認すれば,現金寄附がされたかを容易に確認でき るのであるから,現金寄附の監査に当たってこれを確認する義務を負うと いうべきであるところ,参加人は,これを怠った。
(オ) 預金残高及び借入金残高に係る監査手続について 会計監査において財務書類の信憑性を判断するに当たっては,監査対象 者の有する預金残高及び借入残高の正確な確認が不可欠であり,監査対象 者による不正申告を防止するためには,監査人が,監査対象者を介するこ となく,直接,金融機関に対し預金残高及び借入残高を確認する必要があ る。
参加人Bは,D大に対し金融機関に対する残高確認依頼書等1綴りを交 付して,D大自身で金融機関から残高確認書を取得させてその提出を求め, その結果,D大から内容虚偽の残高確認書の提出を受けて,これを基礎と して本件財産目録の監査をしたのであるから,参加人Bには過失がある。
(カ) 金融庁の処分について 参加人Bは,本件監査について,金融庁から,公認会計士法30条3項 が準用する同条2項の「相当の注意を怠り,重大な虚偽等のある財務書類 を重大な虚偽等のないものとして証明した場合」に該当するとして6か月 の業務停止という懲戒処分がされたのに対し,一切の異議を申し立てずに これを受け入れたのであり,参加人Bも本件監査に際し弁解の余地のない ほど明白な注意義務違反があったことを自認していたとみるべきである。
イ参加人らの主張 (ア) 監査基準について 大学の設置認可申請時の財産目録の監査においては,日本公認会計士協 会の定める「学校法人の寄附行為等の認可申請に係る財産目録監査の取扱 い平成7年1月18」( 日制定,平成9年3月25日改訂。

届出債権額

原告らは,フォレックス社の破産手続において,破産管財人に対し,破産債権の届出をしたが,届出債権額の一部については破産管財人から異議が出され,破産管財人が認めた限度で破産債権が確定し,確定債権額に基づいて一部配当を受けている。
したがって,破産手続における確定債権額をもって原告らの損害とすべきであるし,また,フォレックス社の破産手続において配当を受けた金額については,損害額から控除すべきである。
原告らは,別紙「フォレックス破産事件配当額及び配当額を差し引いた損害額表」記載のとおり,フォレックス社の破産手続において,破産債権額が確定し,破産管財人から中間配当及び最後配当を受けている。
したがって,仮に被告らが何らかの責任を負うとしても,原告らの損害は,同表中差引損害額欄記載のとおりである。
また,原告X5及び原告X32については,フォレックス社の破産手続において,破産債権者として届け出ていない。
そして,原告X6は,同破産手続において,確定債権額はなしと確定している。
これら原告3名は,破産債権の届出をしないか,確定債権額はないと確定している。
したがって,これら原告3名は,フォレックス社から損害を受けておらず,被告らに対する請求権も発生していないというべきである。


以下「財産目録 監査取扱い」という。
)に従って監査を行うことになるが,これには,認可 申請時における監査の基準として特別の定めはなく,「監査人は一般に公正 妥当と認められる監査基準に準拠し,必要と認めた監査手続により監査を 実施する」と定められているにすぎず,したがって,大学の設置認可申請 時の財産目録の監査の具体的な基準としては,手続一覧表によることとな る。
参加人Bは,本件監査に当たり,以下のとおり,手続一覧表及び一般に 公正妥当と認められる監査基準に準拠して,必要な監査手続を行い,さら に,これら基準で求められている以上の監査を行った。
(イ) 現物寄附に係る監査手続について a 参加人Bは,現物寄附について,現物寄附の内容の把握として,現 物寄附の募集要項,募金趣意書の閲覧,寄附を受ける側の機関決定と して,D大の理事会議事録,評議員会議事録の閲覧,寄附者の意思確 認として,寄附申込書原本,寄附者の印鑑証明書原本,寄附者の社内稟 議書,決算書との照合,寄附者の資力のチェックとして,寄附者の決 算書類,所得証明の確認,寄附物品の受領について,寄附物品の実査 (現物確認),寄附物品の収入計上価額の妥当性の検証として,見積書, 納品書,鑑定評価書等の書類の検証,固定資産台帳との照合といった監 査手続をとり,現物寄附が手続的,実体的に有効にされたこと,寄附物 品が受領されていること,現物寄附の計上額が妥当であることを確認し た。
現物寄附に係る監査手続としては,通常,監査対象者が所持する書類 を確認するのが原則で,第三者が所持する書類を取り寄せて確かめるこ とは例外であるところ,本件監査では,D大が所持する見積書,納品書, 鑑定評価書等から現物寄附物品の収入計上価額の妥当性について確認す ることができたのであるから,寄附者が現物寄附に係る物品の購入 先から発行を受けた領収書を確認することまで求められるものではな く,手続一覧表において,領収書が確認すべき資料として挙げられてい るのも,例示列挙の趣旨である。
なお,本件財産目録に記載された現物寄附については,事後的に,D 大と寄附者との共謀による架空のものがあったことが判明したが,仮に, 参加人Bが,本件監査に際し,寄附者に対し領収書を徴求したとしても, D大又は寄附者によって領収書が偽造された可能性が高く,このような 共謀による架空の現物寄附については,正当な注意を払っても,これを 発見することは不可能である。
b 車両等の登録制度が設けられている物品に係る現物寄附の監査手続と しては,公示方法の確認よりも,現物寄附が手続的,実体的に有効にな されているかどうかと現物の存在を確かめることが重要であり,手続一 覧表においても,車検証等の登録名義の確認は求められていない。
参加人Bは,スクールバス2台についても,寄附申込書,寄附者の印 鑑証明書及び見積書を確認するとともに,現物の実査をしており,手続 一覧表で求められている以上の監査手続をとった。
(ウ) 土地売却益に係る監査手続について 参加人Bは,本件土地の転売による土地売却益について,購入時及び売 却時の売買契約書,県からの林地開発許可変更申請書,購入及び売却につ いての理事会議事録並びに購入及び売却に伴う入金及び出金が記帳された 預金通帳を確認するとともに,購入時には,現地を視察し,売却時には, D大から高い価格で転売できた事情について説明を受け,さらに,転売価 格に相当する金額が転売先から入金された事実も確認しており,手続一覧 表で求められている以上の監査手続をとった。
なお,本件土地の転売価格は,仙台市内の土地の相場として妥当なもの であった。


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平成
22
売買
固定資産
手続一覧表には,固定資産の増加額,減少額及び残高の確認につい て,土地,建物の以外の固定資産についても固定資産台帳等と照合し, 実在していることを確かめることとされ,権利保全,財産保全に必要 な措置が行われているかの確認について,所有権移転登記の行われてい ない土地,建物については,その理由を吟味し,売買契約書,その他関 係書類を閲覧して所有権の有無を確かめることとされ,確認資料として, 登記簿謄本,売買契約書,損害保険証券等が挙げられており,かかる監 査基準からすれば,車両等の登録制度が設けられている物品についても 権利関係を示す最も基本的な車検証ないし自動車登録の確認義務がある というべきである。 参加人Bは,現物寄附に係る物品のうちスクールバス2台について, 車検証及び自動車登録を確認せず,D大がこれらをリースにより取得し たことを看過したのであるから,車検証及び自動車登録の確認義務に違 反した過失がある。 (ウ) 土地売却益に係る監査手続について D大は,仙台市青葉区茂庭字真理所在の土地(以下「本件土地」という。